スクロールして説明を読んで操作してみてください

PALS4S操作パネル


正式名称=icture ctionearning ystem 4Scenes


PALS4S全体マニュアル動画はこちらから

SSTの枠を広げるという意味について


PALS4S(Picture Action Learning System 4Scenes)の目的

 PALS4Sの目的は、ルールやマナーなどの理解が苦手な子どもたちが、「自分自身の行動が世間で求められている行動の仕方と違っているのかな?」という気づきを生み出すことです。
 実際に、行動を修正していくためには、本当に個別の手立てが必要になると思います。例えば、手順表やワークシート、トークン等です。全体として、その子どもが失敗せず行動でき、評価されるような構造化が必要だと思われます。

 

 その学習行程の中でも、PALS4Sが受け持つのは、「初発の気づき」と「動機付け」に関わる部分です。多くの子どもたちは、教室などで学習した「行動の仕方」と「自分の実際の行動」を結びつけて理解できていないと思います。そのため、ルールやマナーに関する指導を押しつけられるような受け取り方が強くなり、主体的に学習しようという構えができないケースが多くなります。

 

 2枚のイラストを見て、意味の違いが読み取れて、○と×を判定できる力があれば、新たな気づきを生み出し、よりスムーズに行動を修正できるようにすること。これが、PALS4S本来の目的です。

学習の流れ

第1段階

 

 教室や事業所、ご家庭のメンバー(小集団)で、確認ポイントを作ります。
 確認ポイントは、今後の学習の足がかりになる重要な理解を促し、きちんと押さえます。

 

 私の例で言えば、支援学校の特別活動の時間を使い、「マナー学習」と位置づけて実践しました。
 クラスの中で、起こっている不適切行動を調べて書き出します。その中で、より優先して改善するべき行動を選んで、○×の区別ができるかを検証します。

 

 @まず、その課題に関連するイラストを用意して、○×ゲームを行います。(操作パネルからダウンロードして印刷できます)
   やり方は、黒板などを2つに区切って、こっちが○、こっちが×と指定します。
   対になっている2枚のイラストを見せて、「どっちが○?」など質問して、黒板の正しい位置に貼ることができるかを見ます。
   イラストによって、わかるものとわからないものがあると思われますが、わかり方の傾向を分析しておきましょう。(例、食べることに関してはよくわかる等)
   そして、小集団の中で正しく判定できたことについては、しっかりと評価し、集団全員で確認することが大切です。もし、余力があれば、×のイラストがなぜダメなのか説明できるか試してみましょう。おそらく、ただただしいながらも、「あぶない」とか「いやだから」など、説明してくれるでしょう。支援者が補足しながら、集団で共有していきましょう。

 

 Aロールプレイを行います。
   ○×が正しく共通理解できたイラストのセットを使って、「こういう場面で、どのように行動すれば正しいのか」を考えて、実際に演じてもらいます。
   モデルが必要な場合は、初めに支援者が演じて見せて、同じことを子どもたちに演じさせます。うまくできていたり、意欲的に取り組めたりしたら、しっかり評価しましょう!

 

 このように、第1段階としては、楽しみながら不適切行動を理解し、判定できる力を育て集団で共有することが目的です。

 

 

第2段階

 

 確認ポイントと日常の生活場面の行動を結びつけます。
 多くの場合、子どもたちはメタ認知が弱く、客観的に自分の行動を見ることが苦手です。
 確認ポイントで理解したはずのことを、日常生活では平気でしていることでしょう。
 例えば、学習したところなのに、日常で「ぐにゃりとした座り方」をしているのを見つけたら、パソコンやタブレットですぐにイラストを呼び出して提示しましょう。
 「どっちが○だった?」と問い、今現在の姿勢が×だと気づかせます。
 このような指導を繰り返して、気づきを確実な判断に育てていきます。
 PALが受け持つのは、ここまで(第1・第2段階)の支援をサポートすることです

 

 

第3段階

 

 その子どものわかり方に応じた個別の手立てを用意して、実際に不適切行動を減らす仕掛けを作り、評価しつつ自尊感情を高め、肯定的なサイクルを作ります。
 もちろん、PALを使った気づきだけで、行動を修正していける子どもたちもいると思います。時間がかかっても、葛藤しながら乗り越えられる子どもたちもいるでしょう。
 しかし、「うまくいく仕組み」を用意して支援しなければ、乗り越えられない子どもたちもいます。また、行動の中身によって、こだわりの強いものであるほど、そのような仕組みや代替の方法を持っていなければ修正できません。そのあたりは、子どもの状態に合った個別の方法を編み出す必要があり、PALだけでは対応できません。(参考になる文献は紹介しておきます。) 

方法論のまとめ

PALS4Sを使った学習のポイント

 

@確認ポイントを共有する
A日常生活の場面と結びつける
B時間をかけて、気づきを確実な判断力に育てる

 

 なぜ、ネット上にサイト形式で、このようなイラストを掲載したかというと、すばやく2クリックで見せたいイラストを検索し提示できるからです。
Aの指導は、いつどの場面が起こるかわからないです。学習のチャンス到来ですが、すぐにそれは終わってしまいます。
だから、その場ですばやく検索できるツール、しかも、多数のイラストが収納されていて対応力の高いものが必要だと考えました。
タブレットはもちろん、スマホでも検索できますし、ネット環境がない場合、パソコンで使えるオフライン版も用意します。
なんとか、気づきのチャンスを逃さず、ものにしてほしいと思います。

 

 2枚のイラストが、ほとんど判断できない場合、残念ながらPALS4Sでは対応できないかもしれません。
 基本的な考え方として、2枚の判別ができるからこそ、葛藤が生まれ、主体的に行動を選択することができると思います。
 1まいのイラストが基本であるということは、正しい行動を繰り返して習慣づける支援が有効だと考えられます。
 PALS4Sにも、シンプルモードといって、正しい1枚のイラストを提示する機能がありますが、子どもによってはイラストはだめで写真ならわかったり、それぞれに合った提示方法があります。
 いろんな可能性を試していく必要があるでしょう。

 

 気づきを生み出すことが目的の教材なので、即効性を求めすぎないでください。
 くれぐれも、強迫的に悪い例のイラストを見せて、ことばで叱ったりしないでください。
 使い方を間違えると、別な形で矛盾が行動化される場合もあります。漢方薬のように、ゆっくり効きますので、けっしてあわてないでください。

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